●攻殻機動隊 (1) KCデラックス |士郎 正宗
攻殻機動隊 (1) KCデラックス
士郎 正宗
講談社 刊
発売日 1991-10
■肉体と精神と脳、人間を形付けるものとは、士郎正宗氏なりの回答 2006-08-08
士郎正宗氏のライフワーク的代表作として「アップルシード」と共に挙げられる、近未来の超高密度情報化社会の中でもがきあえぐ人たちの葛藤を「情報」の概念そのものをキーワードに描いた希代の作品。漫画本というよりは、「漫画の皮をかぶった情報事典」という表現が適切かもしれない。
情報のコントロールと生態系とのリンケージ技術が普及し、脳髄に電極経由で直接情報のやりとりができるようになった電脳社会で多発する情報犯罪に立ち向かう攻性特殊機動部隊「攻殻機動隊」。その隊長の草薙素子少佐と愉快な、もとい有能な仲間たちが遭遇するさまざまな情報犯罪は、本当の近未来における事象を示唆しているようでもある。
書き込みがあまりにも「濃い」ため、一度や二度の熟読では内容を把握し切ることは難しいだろう。コマ外の士郎氏独特の「解説」にまで眼を通し何度と無く読み直すことで、ストーリーの根幹に潜むもの、つまり他の作品にもにじみ出ている「情報とは何か、生物の生と死とは何か」という、哲学や宗教にも共通する「疑問」を追求しようとしている氏の意図が見えてくるかもしれない。
また根幹部分とは少々外れるが、主人公の上司の荒巻氏が非常に良い味を出しているのも見逃せない。色々な意味で「有能で良い上司」とは彼のような人物を指すのだろうという思いがわきあがる。
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